我が家は海外移住歴10年ほどです。
中国上海(英語系幼稚園→現地校国際部)→マレーシア(インターナショナルスクール)です。
現在は日本の私立中学に通っています。
前回の記事で「海外教育移住」についての以下のようにメリット・デメリットについて書きました。実際に4歳から10年移住した我が子の場合どうだったのか検証してみます。
メリット
・ネイティブな英語が話せるようになる
・国際感覚が身につく
・積極性が培われる
・得意な事が伸ばせる
・帰国子女枠で受験できる
デメリット
・日本語能力の維持が難しい
・日本の文化や行事を知らない
・アイデンティティの確立が難しい
・ネイティブな英語が話せるようになる
結論から言うと、我が子の場合、日本人が考えるネイティブな英語は話せていると思います。しかし、アメリカ人やイギリス人の様なネイティブには程遠いのが現実です。我が家の場合、10年間を全て非英語圏で過ごしました。上海での6年間は学校以外では英語はほぼ使わない環境でした。中国では一部の人を除いて英語を話せる人がほとんどいません。でも、学校の授業はアメリカ人のネイティブな英語による授業を受けられたので、語彙力や文法力は低いながらも、発音やスピーキングはネイティブと言えると思います。逆にマレーシアではマレー語と同様に英語も公用語になっているため、英語を話す人がほとんどです。ですが、ほとんどのマレーシア人が話す英語はマングリッシュと言われる発音や文法です。我が子もマレーシアに移住してからその影響を心配しましたが、幼少期からの基礎ができていたから大きな影響はなかったと思います。
・国際感覚が身につく
結論から言うと、我が子の場合、国際感覚も日本の感覚も身についたと思います。。現地や外国人の友達と接しているとその影響の方が大きいのは事実です。我が家は日本人が多く住む地域に住んでいましたので、学校以外では日本人のお供達と遊ぶことにより、日本人の感覚に自然と慣れたと思います。それでも、低学年の頃は、年に1度日本へ一時帰国すると日本人の習慣や感覚に戸惑っていました。高学年になるにつれて、日本と外国の違いを理解して行動できるようになったと思います。将来は、日本と外国の文化や思想も理解できる大人になってくれ慣れることばと期待のしています。
積極性が培われる
結論から言うと、我が子の場合現時点ではNOです。上海時代の影響が大きいかもしれないです。また、性格的な要素もあると思います。我が子は現地校国際部という95%位外国籍の中華系の学校に通っていました。中国の学校は規則に厳しいため、何かあるごとに親が呼び出されます。そのため、我が子には、なるべく目立たない様におとなしくする様に言い聞かせていました。その結果なのか、もともとの性格なのかわかりませんが、人前に出て目立つことや積極的に自分の意見を言うのが苦手な性格です。しかし、訓練はされてきているので、成長過程において変わっていく可能性はあると思います。
得意な事が伸ばせる
結論から言うと、我が子の場合、得意な事が伸ばせました。。我が子はサッカーと水泳を幼少期から習っていました。我が子のレベルは日本のレベルとは比較にならない程度のレベルですが、マレーシアではそれらをする人数が少ないため、学校の代表に選ばれ活躍していました。他の人には負けたくないという思いで練習もしていました。地域や学校等狭い社会ではありますが、本人のやる気と自信になったと思います。
帰国子女枠で受験できる
結論から言うと、我が子は中学2年になる時点で私立進学校の編入試験を受け合格を頂けました。もし、帰国子女でなかったら、英語のレベルが低かったら合格できなかったと思います。
日本語能力の維持が難しい
結論から言うと、我が子の場合、読み書きは英語の方が得意ですが会話は日本語と英語が同等です。現地の補修校や塾にもいかず、家で親が熱心に教えてもいませんでした。気をつけていた事は、家族では必ず日本語の標準語で会話をする事です。それから時間がある時には日本のアニメやドラマのDVDを一緒に見るようにしていました。それにより、会話はそれなりにできますが読み書きは苦手です。また、日本の学習は全くしていませんでした。日本の地理や歴史もほとんど知識がないまま日本の中学に編入したため、1学期の成績は悲惨な状態でした。今後、相当の努力が必要でしょう。
日本の文化や伝統行事を知らない
結論から言うと、我が子の場合、ある程度の事は知っています。日本には中国から渡来した行事があります。行事の違いなど日本と中国と比較しながらおしえるようにしていました。例えば、端午節には両国ともちまきを食べますが、日本のちまきは笹の葉で甘いお餅を包みますが、中国のちまきは竹の皮でもち米や肉などを包んだものです。文化についても同様です。例えば、日本と中国の箸の使い方や食事のナーの違いは、繰り返し徹底的におしえました。これが欧米などでしたら宗教や文化が違うので自然に学ぶのは難しく、環境によるところが大きいと思います。
アイデンティティの確立が難しい
結論から言うと、我が子は自分は日本人だと言っています。その根拠は日本語での会話が無理なくできる=自分の母国語は日本語である、という思いがあるからではないでしょうか。幼少期を過ごした中国は第二の故郷と言っています。
まとめ
海外教育移住のメリット、デメリットについて、我が子の場合について検証してみました。海外教育移住には、日本では得られないことも海外で得られますが、日本に住んでいれば必然的に得られることも海外では得られないこともあります。いずれのメリットもデメリットも必ずあるという事です。また、移住する国や環境、子供の性格にもよりかなり違いがあります。まずは、自分の子供に将来どういう人生を歩んで欲しいのか、自分や家族がどういう生活をしたいのか考える事が重要です。そして、移住時期を決めたら思い切って行動してみましょう。